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2024.02.06 会長の時間
馬場会長
"紅茶"

私は紅茶がとても好きで毎日頂いています。朝夕はもちろん、仕事の合間の一休みの時もいつも紅茶です。予め温めたティーポットにダージリンのセカンドフラッシュ、つまり夏摘みの茶葉を入れ、沸騰したお湯を加え、ポットをカバーで覆って砂時計で3分間待った後にティーカップに注いで頂きます。十分に蒸らした熱い夏摘み紅茶は、熟した果実のような香りとコクのある円熟した風味があり、春摘み紅茶の花のような爽やかな香りとは違った味わいです。これを気に入ったティーカップで頂くと、贅沢な満足感を味わうことができます。

英国人一人あたりの年間紅茶消費量は約2.6㎏、日本人の25倍です。英国に初めてお茶が輸入されたのは17世紀、オランダ商船が日本と中国からお茶を買い付けて欧州で販売したのがはじめです。その後は宮廷で喫茶の習慣が広がり、当初は貴族のものでしたがやがて国中に普及しました。

英国の紅茶文化といえば、19世紀にやはり貴族の社交としてはじまったアフタヌーンティーが有名です。当時は朝夕2回の食事のみでしたが、空腹を解消するため午後に紅茶とともに軽食をとる習慣が広がりました。作法やマナーが定められており、例えば皿が3段に重ねられたケーキスタンドの一番下にはサンドウィッチ、二段目にはスコーン、一番上にはスイーツが載せられ、下から順に頂くと決まっています。私も出張や海外旅行の際、アフタヌーンティーの機会をいつも探しています。ロンドンのクラリッジズホテル、プラハのリッツカールトン、シンガポールではラッフルズホテルなど行った先々でアフタヌーンティーを満喫します。

マルセルプルーストの「失われた時を求めて」の中で、紅茶に浸したマドレーヌの味によって過去の情景がよみがえるという有名なシーンがあります。味覚をきっかけに主人公は遠い過去の記憶をたどり、この記憶は時間の経過を超えた鮮明なものでした。紅茶には香りと味の複雑さの楽しみだけでなく、人の心の奥底に深く沈んだ過去の記憶を呼び起こす力があるのかもしれません。ちなみにこのプルースト、私はいまだに完読できていません。

福岡市中央区六本松に私が学生時代からよく通っている紅茶も頂けるコーヒー専門喫茶ひいらぎがあります。最近、店はリニューアルしましたが、重厚な長い一枚板のカウンターと、店内の棚いっぱいの今や入手困難なカップコレクション、そして上品な店主も当時のままです。今でも時々行くのですが、紅茶を頂く際は、好きなカップを選ぶことができます。「どのカップにいたしましょう?」と店主が問うと、私はいつも「この店で一番高いカップでお願いします」とは言いませんが店主は年代物のマイセンの器に美味しい紅茶を入れて下さいます。

以上で会長の時間を終わります。ありがとうございました。
【参考資料】
マルセルプルースト 失われた時を求めて-スワン家のほうへ 岩波文庫

 
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