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2022.05.17 会長の時間
大分RC 川野会長

若葉が香り初夏へと移り変わる今頃になると、東京都南青山の表参道沿いにある根津美術館が思い出されます。10年程前に、根津美術館のオーナーの根津さんに招かれた友人に連れられて、美術館を訪れた事がありました。最近はコロナ禍の為休館でしたが、3年振りに開館されると聞き、年に一度だけカキツバタが咲く時期に併せて展示される尾形光琳の【燕子花図屏風】を見に行ってまいりました。

都内の一等地に庭だけでも6千坪弱あり、庭内には茶室が4軒点在しています。1941年東武財閥の創始者初代根津嘉一郎氏の邸宅を改装して開館された美術館です。初代は鉄道王として知られる実業家で政治家、茶人でもありました。国宝や重要文化財を含めて七千点以上の美術品が所蔵されています。

2006年に日本を代表する建築家の隈研吾氏が設計を担当され、新装開館されました。近代的なセンスと「和」の雰囲気が巧みに融合して国内外から高い評価を受けています。公立の美術館にはない独特の趣向があります。モダンな和風建築、竹の生垣や、石畳道、日本庭園の和の要素が閑静な雰囲気の静寂感を漂わせています。草木が生い茂る石畳の小道を下って行ったその先には、池一面にカキツバタの群生が見られました。そして尾形光琳の国宝【燕子花図屏風】は7mもある六曲一双の見事なものでした。

尾形光琳は京都の呉服商に生まれ、文様と色に囲まれて育ったからでしょうか、生い立ちを反映している様な発色の良い青、緑、金の色彩が際立っています。この三色は東洋美術において伝統色で、その鮮烈な色彩感には江戸時代ならではの美意識があるそうです。使われた金箔は千枚以上、花弁の群青、葉と茎の緑青、背景の金とわずか三色で、非常にシンプルな色彩で構成されています。それなのにゴージャスな雰囲気が漂い、画面にリズミカルな青と緑そのモダンなデザインは一度見たら忘れられません。大胆な構図が大きな躍動感と遠近感を生みます。その間に広がる金色は「水面」に見せる効果をもたらしています。

また【燕子花図屏風】は『伊勢物語』の主人公在原業平が東国に下る途中、八橋でカキツバタの群生を目にして詠んだ和歌に基づいて描かれたと言われています。絵の背景にあるストーリーを知ると絵の魅力が増してくるように思われました。3年振りのお披露目は今月15日までですが、機会がありましたら是非お薦めいたします。
(参考資料:原色日本の美術)

 
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